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カラー/ドルビーステレオ/ヴィスタ・サイズ/3時間15分/35mm作品
日本を震撼させる、衝撃のラスト6分。
主演
菅田俊/野村宏伸/川本淳市/井上晴美/井田國彦/出光元
水上竜士/宮本大誠/風祭ゆき/ガンビーノ小林/木下順介/山下真広
舩木壱輝/新井貴淑/時田望/李鐘浩/蓉崇/河端保成
吉田祐健/岡村洋一/吉守京太/崔哲浩/澤田雅志/藤村忠生
のむらゆみ/塚本博一/新橋鳩美/北村栄基/並樹史朗
朝田帆香(子役)/ハンス・ヴァン・デル・ルフト/つじしんめい
宮崎学(特別出演)/寺澤有(特別出演)
真空間/グランカフェ・ピクチャーズ作品
製作 田村正蔵/高橋玄
プロデューサー●佐藤輝和/小高勲/高橋玄
原案協力 寺澤有
撮影●石倉隆二/飯岡聖英
照明●小川満
録音●西岡正巳
美術●石毛朗
助監督●中西正茂
音楽●高井ウララ/村上純/小倉直人
制作担当●小林孝幸
メイキング●中田圭
脚本・監督・編集 高橋玄
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トピック
この映画『ポチの告白』は、昨今多発する日本の警察犯罪事件の数々の実例をモデルに、良識ある巡査が警察の犯罪機構に巻き込まれながら悪徳に染まり、やがて自滅するまでを描いた、社会派エンターテインメント大作である。
警察問題ジャーナリストとして海外でも著名な寺澤有の資料と原案協力を得て、実際に起きた警察犯罪事件に正面から切り込むストーリーは、警察犯罪を報道できない日本の記者クラブ制度の問題をも照射しながら、映画本来の娯楽性を損なうことなく、同時に日本の警察、検察、裁判所、報道の癒着による国家ぐるみの犯罪が現実に存在するという警察支配社会の恐怖を描き、ラスト6分では観客の誰もが震撼する衝撃を与える。
この野心的な映画企画に、外国人ジャーナリストの聖地でもある社団法人・日本外国特派員協会が、60年の同協会史上初めて映画撮影に協力、協会内でのロケーションが敢行されたほか、千葉県柏市、松戸市、茨城県庁、埼玉県坂戸市などの自治体が、警察犯罪の舞台となる警察署として市庁舎での撮影を許可するなど異例の協力を決定、撮影中から海外の新聞が密着資材に訪れるなど、完成前から社会的な注目を集める、日本映画久々の問題作である。
主演に、『キル・ビル』『ラストサムライ』『SAKURA』などで、ハリウッドにも進出する実力派俳優・菅田俊、『メイン・テーマ』でデビュー後、多くの映画、テレビドラマに活躍、近年では中国映画界でも活躍する若きヴェテラン・野村宏伸、『フリーズ・ミー』などでカリスマ的な存在感を放つ井上晴美、『CHARON』の主演で各国映画人から絶賛された川本淳市、浅草喜劇から数えて芸歴50年の大御所・出光元、また、徹底した反警察ジャーナリズムで知られるベストセラー作家・宮崎学が、警察犯罪を隠蔽する裁判長役で出演。個性的で確実な演技を誇る俳優陣が映画のリアリティを裏打ちし、オーディションを経て決定した出演者は台詞のある役だけで述べ140名を越えるという見ごたえ十分のドラマとなっている。
脚本・監督・編集・製作を兼務する高橋玄は、80年代インディーズ映画シーン出身。1992年にカルト的人気を博した『心臓抜き』で劇場監督デビュー。数々の映画、Vシネマを手掛けた後、2004年『CHARON』で国際映画市場デビューを果たし、同作は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭ファンタランド大賞(作品賞)受賞、マンハイム・ハイデルベルグ国際映画祭インターナショナル・コンペティション招待、同じくコンペティション招待のドーヴィル・アジア国際映画祭では異例の追加上映が組まれるなど大きな話題を集め、国際的な映画作家として各国映画祭で高く評価されている。
ストーリー
所轄警察署の巡査・竹田八生(菅田俊)は、タケハチと呼ばれ、市民と上司に信頼される実直な警察官だった。
ある日、刑事課長・三枝(出光元)に認められ、刑事へと選抜昇任したタケハチ。同じ頃、妻・千代子(井上晴美)との間に待望の娘も生まれ、人生の転機に喜びを感じていた。だが、三枝の部署で刑事として一線に立つタケハチは、実直ゆえに三枝の不透明な命令にも盲目的に従い、後輩刑事の山崎(野村宏伸)と共に、やがて気がつかないうちに警察犯罪の主犯格となっていく。
タケハチは、三枝たちの警察犯罪を追いかけていた警察嫌いの飲食店経営者・草間(川本淳市)と、その相棒である新聞記者・北村(井田國彦)を社会的に抹殺するように指示を受ける。タケハチは草間に警告するが、その手緩い手段に不安を感じた山崎は、三枝への忠心を証明するために暴力団を使って、草間に重傷を負わせる。
草間が行方を消し、5年が過ぎた頃、タケハチは組織犯罪対策課長に昇任していた。すでに、三枝に代わって暴力団との共犯行為の陣頭指揮を執り巨額の裏ガネ作りに暗躍していたタケハチの所轄で、警視庁の現職刑事が殺害されるという事件が起きる。殺された刑事・兼頭は、三枝が指揮した5年前の麻薬事件の黒幕だった。
同じ頃、5年前に姿を消した草間がフリージャーナリストとして舞い戻る。草間は、三枝とタケハチたちの警察犯罪を掴み、インターネットでゲリラ的な報道を開始。警察の管理下に置かれた記者クラブに告発を阻まれた草間と北村は、外国特派員協会で電撃的な記者会見を開き、三枝たちの組織的な警察犯罪が社会問題化する。
危機に瀕した三枝と山崎は、検察、裁判所とも共謀してタケハチをすべての首謀者にデッチ上げ、その人生を抹殺していく。
裁判所に被告として立ったタケハチは、果たしてその全貌を告発できるのか・・・・・
(上映時間 3時間15分)
撮影エピソード
●「ヤバイよこのホンは・・・」
本作で悪の権化のような警察署長を演じたのは、大ベテラン俳優・出光元。実は全国都道府県のどの警察官も演じてきたという出光氏は、多数の良識ある正義の警察官役を得意としてきた。それだけに、善良な警察官がひとりも登場しないという、本作の衝撃的な脚本を読んで、監督と会うなり「ヤバイですね、このホンは・・・」と漏らした。
そう言いながら、いざ撮影に入ると、まるで悪徳署長を楽しむかのように、徹底した警察悪を体現した出光氏。『ポチの告白』は「出光元さんなくしては出来なかった」とは監督の一言。
●高橋組名物のリハーサル
日本の映画界の伝統では、リハーサルというものをあまり行わない。俳優たちはプロなのだから、撮影現場に来てテストをすれば問題ないとされている。しかし、高橋玄の映画作りは俳優同士、スタッフたちのコミュニケーションのために、徹底したリハーサルを行うことで知られる。『ポチの告白』では、2ヶ月間に渡るリハーサルが行われた。
また、通常、新人俳優のオーディションなどに主演クラスの俳優は出席しないが、高橋組では主演俳優が新人と同じく普段着でリハーサルに参加する。今回も主演の菅田俊、野村宏伸、井上晴美など実力派有名俳優が登場するリハーサル現場に新人たちは度肝を抜かれていた。長期のリハーサルで共演者同士の人間関係もスムーズになり、演技に対する意志の疎通も生まれる。そして、回数を重ねる演技によって、より自然な演技を映画に与えることになるのである。
●本物のリアリティ
撮影はクリスマス翌日の2005年12月26日に、外国特派員協会で開始された。60年の歴史がある同協会で映画の撮影が許可されたのは『ポチの告白』が初めてのことである。エキストラには本物の特派員も参加、特に劇中で特派員協会のオランダ新聞記者ヤン・ヨーステンを演じたハンス・ヴァン・デル・ルフト氏は同協会の前理事長を務めた国際ジャーナリスト。当初、同協会への撮影協力に奔走していたハンス氏だが友人である監督の要請で俳優として出演もすることになった。警察犯罪を告発する同協会での記者会見シーンは、本作のハイライトのひとつ。ちなみに通訳を演じているダン・クラーク氏も、同協会記者会見通訳として活躍している本物で今回は実名で登場している。
また、本作に登場する警察犯罪事件の数々は、日本を代表するジャーナリスト・寺澤有氏が綿密に調査した事件資料を元に描かれている。本物のジャーナリストが、日本の警察問題を正面から斬り込む本作に全面協力をしたことで、迫真のリアリティが実現した。寺澤氏は、法廷に入ろうとする記者を制止する裁判所職員役で特別出演している。
●「脅かされる側の気持ちがよう判ったで」
本作ではベストセラー作家・宮崎学が裁判長役で特別出演している。徹底した反権力の姿勢で、警察悪を暴き続ける宮崎氏は、言わずと知れたアウトロー。被告席に立つことは数あれど、裁判長の椅子に座るのは初めて。クライマックスでは、宮崎氏演じる裁判長が、警察犯罪を隠蔽する悪の警察署長に弱みを握られて脅かされるのだが、宮崎氏は「普段、脅す側やからね。脅かされる側の気持ちがよう判ったで」と笑っていた。監督・高橋玄はこれまで宮崎学原作を2本映画化しているが「毎回特別出演してもらうんだけど、だんだん芝居が巧くなってんだよな。今度は助演男優賞ものの名演技だよ」と感心していた。
●正月返上ロケーション
本作は2005年の年末年始にかけて正月返上でキャメラが回った。劇中、東京タワーのネオンが2004年から2005年へと移り変わるカウント・ダウンでも、2班体制の撮影隊がリアル・タイムで実景を捉え、菅田俊、井上晴美、川本淳市、子役・朝田帆香は正月3日から初詣でごった返す明治神宮前での街頭ロケーションを敢行した。
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